魅惑の街 アキハバラ 〜エロ漫画専門店編〜
お待たせいたしました、公約通り2月頭のknockerJAPAN配信!
…と思ったら2週目入っていた。もうとっくに月頭ではない。(TSUTAYA時間だとセーフ)
最近は専ら、舞台の台本を書いています。
演劇の台本いわゆる戯曲を書くのは初めてで、面白いものをかけているのか、そもそも戯曲として成立しているかもわからないというのが本音。
5月に公演する予定なので、冷やかしにきてください。
今回はknocker初の挑戦『街knock』シリーズ第一弾、《アキハバラ》
※街knockとは、面白そうな街までカメラを抱えて出かけて行き、ツテ無しアポ無しで片っ端から雑談するというトンデモ企画。『雑談の場数を踏む』ということを重視している。
2月4日。13時。
代表兼映像製作のこうちゃん、先日からカメラマン・アドバイザーとして参加してくれているスズ、それから僕は秋葉原駅に集結した。
初めての『街knock』。愛機ax-2000・相棒kissx7・老体ハンディカムと、各自カメラを分担してアキバを徘徊する。
電気街から「オタクの自室」へと進化し、今も変化を止めない秋葉原。
MDXビル下のフリマでウィンウィン動いていた電動ゴジラ(5700円)
喉が渇いたら知的飲料ドクペを飲み干せ。
腹が減ったらサンボを食え。
アニメ・ゲーム・漫画の広告がビルを覆い、メイドたちが笑顔を振りまき、物珍しそうな観光客が写真を撮りまくる___そんなこの街の空気に疲れたら、適当な喫茶店に入って、窓の外の様子を眺めるのも一興だ。
徘徊をはじめて三時間。
僕たちはある店の前で足を止めた。
裏路地の奥から、美しい三人の女性が僕たちを見つめていた。その魅惑的な肉体は、見るものの心を掴んで離さない。
そうここは、成年コミック専門店オータムリーフ。アキ バ・・・。
ここにたどり着くまでに、謎の美術商や、クセが強い通行人の方、サン○リー組織からの使者(オバサン)相手に雑談を挑み、ことごとく失敗していた我々は、荒んだ心を癒すという純粋な目的を果たすため、フラフラと入り口に引き寄せられていった。
しかし入り口直前で逡巡した。
カメラ問題である。
合法の成年コミック専門店といえど、お客様のプライバシーは絶対。カメラレンズが誰かの顔をとらえるようなそぶりを見せれば即つまみ出されてしまうだろう。しかし『門戸を叩くもの』knockerとしては、最初のコンタクトを動画に収められないのは痛い。さてどうしたものか。我々は議論に議論を重ねた。
結果、僕とこうちゃんが入り口に消えて行くカットを撮っておいて、中に入った我々が何とか雑談を盛り上げ、機をみて『チョビーッと撮影してもいいっすか?』と懇願し、knockerとしての体裁を守った撮影をする。という折衷案が通った。
いざ!エロ漫画の洞窟へ!!
うっ。入り口からはやや饐えたような匂い。
中に進むと、四方八方は夥しい数の成年コミックで埋められている。僕のような若輩だと顔を赤らめてしまうような言葉がびっしり羅列され、表紙には思わず股間が切なくなるようなイラストがずら〜り。
なになに、『惚れ時々ヌクもり』・・・ほほう・・・。
店内には中年層の男性が割と早い回転率で、ひっきりなしにやって来ていた。
お客様の購入率も高く、店員さんは一人で忙しそうにしている。
店の雰囲気、忙しさを鑑みて、この場は一旦退散するべきか・・・。
否! ここで雑談してこそ、漢!!KnockerJAPANである!!
ついにアキバ最初の雑談!!(プライバシー保護のため顔・名前・特徴は伏せています)
先に結論から言うと、撮影・録音はできなかった。
何度か食い下がってはみたのだが、やはり・・・ダメだった。せめて店員さんの写真を一枚だけ・・・と言うお願いも通らなかった。このブログを読んでくださっている皆さまに生の雑談の様子がお伝えできず申し訳ない。
なので、今回は会話文で、面白かった部分を抜き出していきたいと思う。
刊行ペースと売り上げ
knocker「すごい量ですね。新刊はどれくらい出ているんですか?」
店員さん「10年間落ち続けてるよ。刊行ペースも売り上げも。今は三人で回してるけどね、ギリギリ限界ってとこかな。取り付け問屋も潰れてるしね」
割れ(違法アップロード)について
店「君たちは買うの?成年コミック」
k「いや全く・・・買いはしないけど、ネットでたまに読んだりしますね。無料のやつ」
店「ほらね。最近の若者は情報にお金がかかると嫌がるんだよなぁ。無料で当たり前だと思ってるから。」
k「割れ対策とかはどうしてるんですか?」
店「俺たち(販売店)や皆さん(消費者)が割れに気づいても通報できないんだよ。出版社か作家が言わないと。著作権と版権がないと、何言っても聞いてくれない」
k「ええっ?じゃあ気づいたらどうしてるんすか?」
店「とりあえず出版社に教えてあげるけど、そこまでだね」
購入者層は
店「あーそう言うのは一切お答えできません」
児童ポルノ禁止法・その他規制について
店「あーこれも出版社の問題であって、うちは関係ない。マルセイがついてるものしかおいてないからね」
マルセイマーク
店「出版社も作家さんも頭抱えてるみたいだけどね」
似たようなもん問題
k「TSUTAYAのアダルトコーナーでも思うんですけど、なんか全部似てますよね。どれ見てもどうせ全部同じのような気がして」
店「まぁそんなもんですよ」
k「今月はこれを売ろう!みたいなのはあるんですか?」
店「ないない。もうお客さんが買うもの決めて来るし、そうじゃない人はランキング上位を買うし、アキバブログさんみたいな大手ブロガーが取り上げてくれたら、それで売り上げが変わったりするから。僕らからオススメすることはまずないです」
仕事を始めたきっかけ
k「どうしてこの仕事を始めたのか、差し支えなければ教えてください」
店「そもそもアキバでゲーム売ってたんだ。その時に、○○社(成年コミック専門出版社)の人から声かけてもらって、この店の開店からここで働いてる感じ」
k「エロいものを売る、って抵抗はなかったんですか?」
店「ゲームもエロゲ売ってたしね。そう言う街だよ、ここは」
最後にもう一度、後ろ姿だけでも!と写真撮影をねだったが、認可は降りなかった。
雑談中なんどもお客様が大量のコミックを買っていた。一冊千円ほどのコミックを10冊ぐらい持って帰る人もザラであった。この様子を見ていると、とても売り上げが落ち続けているとは思えない。しかし、一時間半ほどの雑談時、若者は一度も来なかった。店員さんの言う通り、若者は情報に金を払うことを嫌う。
今後のエロ漫画産業は、成年コミックが、中年コミックの域を脱することができるのかにかかっている。
街knockはまだまだ続く。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。
寺田 空